第86回とまりぎインタビュー:夏目絢太さん(前編)【「学びに貪欲であれ」アメリカでエンジニア留学をした自分がイギリスで国際関係を学ぶワケ】
トビタテ事務局インターン生として学習プラットフォーム(学習PF)お悩み相談役の“PFお姉さん”こと、福永夏輝です!
第86回インタビューでお話を伺ったのはトビタテ7期生としてカルフォルニア大学デイビス校で一年間学んだ後、イギリスへ飛び立ち「国際関係」を学んでいる夏目絢太さん。
留学経験を経て多くの価値観に触れることで「自分が本当に学びたかったこと・挑戦したかったこと」に気がつく、けれど自分の心に従って果敢に挑戦し続けることは難しいのではないでしょうか?そんな人が多い中、なぜ夏目さんは世界へ二度飛び立つ決意をすることができたのか、夏目さんの留学ストーリーと今に迫ります。
環境を変えると人は変わる、船橋さんの言葉が背中を押す
福永:今回は不思議なご縁で繋がったことをきっかけにインタビューをお願いしましたが、お受け頂きありがとうございます!夏目さんは今イギリスのサセックス大学に所属しているとお伺いしたのですが、トビタテ後にもう一度飛び立ったということでしょうか?
夏目:はい、今はコロナの影響で一時帰国をしているのですが、イギリスのサセックス大学で国際関係を学んでいます。トビタテではアメリカのカルフォルニア大学デイビス校で1年間エンジニア留学を計画していたのですが、「あ、自分が学びたいことは違うな」ということに気がつき、留学開始3ヶ月後くらいには海外大学編入の準備をしていましたね(笑)
福永:インタビュー開始早々、夏目さんの「直感に基づく行動力」の凄さを予感させられました(笑)
夏目:トビタテ後にも飛び立つことができたのは、事前研修で聞いた「環境を変えると人は成長する」という船橋さんの話がすごく影響していますね。チャレンジングな環境で壁にぶつかり、違う価値観に触れることで成長するという意味合いだったと思うんですけど。
福永:船橋さんインパクトがとっても大きかったんですね。
夏目:本当にその通りですね。「環境を変える」という言葉が僕の中でキーワードとして刻まれていたのでトビタテ後も、イギリス留学中も常に意識していました。
福永:ちなみに、夏目さんがそもそも留学をしようと思ったきっかけはどのようなものだったのでしょうか?
夏目:”留学中の活動とは少し関係のない話になります。元々、法政大学にはアンテナ関係で有名な教授の元で学びたいと思い入学したのですが”、僕が大学二年生の時にその教授が退職してしまうことを知り、国公立の大学院に進学するために英語の勉強に打ち込んだことが始まりです。
トビタテ留学中に自分が“本当に”学びたいことを見つけた
福永:元々エンジニアとして学ぶためにトビタテで留学を計画していたと思うのですが、エンジニアを志すようになったきっかけは何だったのでしょうか?
夏目:「エンジニアを目指したきっかけ」は、特に深い理由はなく、当時高校生だった僕が物理と数学が得意でかつ就職に困らないと考えていたからです(笑)
福永:エンジニアを目指していた夏目さんが開発に興味を持つようになったきっかけはどのようなものだったのでしょうか?
夏目:開発に興味を持つようになったきっかけは2016年大学3年の夏に、ある半導体の企業から奨学金を受け取ってフィリピンのセブ島に2週間語学留学をしていたことです。
プログラムの中で日系企業の工場に見学をする機会があって、その中で工場のマネージャーの方から「現地のフィリピン人の方が週6で働いて月に一万円しかもらえないので、中には工場から逃げてしまう人もいる」との話に衝撃を受け、そこからエンジニア的アプローチで国際開発に関わりたいと思うようになりました。
なので、トビタテの留学テーマも「国際開発」で、関心のあった発展途上国支援に関連しているEngineers Without Borders at UC Davisという団体での活動もしていました。
福永:留学中「エンジニアではなく、国際関係を学びたい」ということに確信を持った瞬間・出来事などはありましたか?
夏目:具体的な出来事があったというよりかは、交換留学中(2017/8-2018/7)に自分の専攻に関わらず取りたい授業、例えば歴史、社会学、政治経済、国際関係などを自由に選択して学んでいるうちに段々と「自分のやりたいこと・好きなことは国際関係だ!」と確信していった、といった具合です。
例えば、Engineers Without Borders at UC Davisの活動では「過去のプロジェクトがなぜ失敗したのか?」をケーススタディーする機会があり、失敗の原因が「現地の人の気持ちや文化背景を理解していなかったから」というケースが多いことがわかりました。
その時「今まで自分も現地の人の気持ちを考える機会もなかったし、理解しようとしてこなかった」ということに気がつきました。
このような気づきと、自分が今まで勉強してきた中で楽しめることは何だろうと振り返った時に“国際関係や国際開発を文系的視点で学ぶこと”なのかなという結論にたどり着きました。
福永:「国際開発」という軸はブレずに、国際開発とどのように関わるのかという「アプローチ」がシフトしたということだったんですね!