第13回:小仲 美奈さん(理系、複合・融合系人材コース 未来テクノロジー人材枠8期生)
トビタテ7期の川口佑磨です!僕は理系の学生を中心にインタビューしていきます!今回は、宇宙留学をしていた小仲 美奈さん!
目次
インタビュイー:小仲 美奈さん
東北大学大学院 工学研究科航空宇宙工学専攻 宇宙ロボティクス研究室 在籍
トビタテ!留学JAPANの留学について
留学先:オランダ 国際宇宙大学 (2か月間)
ドイツ ベルリン工科大学 (6か月間)
期間:2018年6月~2019年2月
研究テーマ:宇宙大学とベルリン工科大学で宇宙留学
留学のきっかけ
川口)初めまして!ずっと会ってみたいと思ってました(笑)早速ですが、留学しようと思ったきっかけを教えてください!
小仲)よろしくお願いします。日本以外の宇宙開発を知りたかったんだけど、アメリカは高校と大学で留学したことがあったから、それ以外で探したよ。
参加すると人生が変わるといわれている国際宇宙大学と、ドイツで一番人工衛星開発の歴史が古いベルリン工科大学で、自分の人生を変えたいと思ったのと、日本との研究の違いを知りたかったの!
川口)国際宇宙大学って初めて聞いたんだけど、ちょっと教えてもらっていい??
小仲)宇宙に関する医学、政治、法律、アート、ビジネス、科学など宇宙に関わる様々な分野の講義があって、場所は毎年変わるの。37カ国からの参加者が130人ほどいて、平均年齢30歳くらいで、既に宇宙開発の現場で働いている人ほとんどで、学生はむしろ少数。
宇宙に携わる仕事をするなら、一度は参加しておきたいという感じ。宇宙飛行士自ら講義したりするんだけど、授業料は9週間で300万円くらいするから、日本人はほとんどいないんだ。
川口)なるほど~、そんなのあるんだね、全然知らなかった。美奈ちゃんは比較的早い段階で参加したんだね。聞いただけでワクワクする(笑)
留学中の出来事
川口)その経験の中で一番思い出に残っていることを教えてくれる?
小仲)宇宙大学でプロジェクトを進めていたチームでリーダーに選ばれて、そのマネジメントが大変だったことかな。やったことないことに挑戦してみるのがカルチャーみたいな感じの雰囲気なんだけど、チームメンバーはNASAやESA※1、ISRO※2など世界トップレベルの来た人たちで、年上の彼らに私が指示を出さないといけなかったの。
アメリカ人とイスラエル人は話を聞いてくれなかったし、発表のために自分がまとめた資料を、直前で差し替えられて発表されたりして、いろいろすごく大変だった~。
※1 欧州宇宙機関(おうしゅううちゅうきかん、仏: Agence spatiale européenne[1], ASE、英: European Space Agency, ESA)は、1975年5月30日にヨーロッパ各国が共同で設立した、宇宙開発・研究機関である。設立参加国は当初10か国、現在は22か国が参加し、2000人を超えるスタッフがいる。(2019年5月7日、Wikipediaより引用)
※2 Indian Space Research Organization。インド宇宙研究機関と訳される。
川口)同じ環境で働くっていうだけでも、圧力感じたり、劣等感も感じそうなのに、その中でチームリーダーってすごいね…! その後は、ベルリン工科大学で研究してたんだよね?
小仲)そう、超小型人工衛星の熱設計の研究をしてたんだけど、日本で研究していたことを応用して取り組むことができたよ。日本でやってた自分の研究を理解して取り組んできたことが活かせて、自分がやってきたことが正しかったと思えた。
具体的には、ベルリンでは日本とインターフェースが違うソフトウェアを使わなきゃいけなくて、本質を理解してたから研究を進めることができてよかった。自分が研究者になりつつあると実感できたかな。
ただ、ドイツでは研究の進め方とかすごく勉強になったんだけど、みんな年上で、アジア人がいなくて、女性も少なくて、ちょっと怖かった。
川口)そうだよね、工学部とかほとんど男性だし、ドイツ人でかいしね(笑)海外という地でも自分の専門を生かして、研究を進めることができたら自信になるよね!ベルリンでの生活はどうだった?
小仲)ベルリンには本当にいろんな人がいて、いろんな生き方があるんだって実感した。アーティストもたくさんいて、街にもアートがたくさん溢れてる。ベルリンの壁とか、戦争の跡地も残っていて、東と西に対して現地の人と話すときは、かなり敏感だったかな。
川口)同じドイツのシュトゥットガルトにいたけど、アートや戦争に関して敏感というわけではなかったかも。ベルリンならではなのかな、結局行ってないからベルリンいってみたいな~。他に学びになったこととかある?
小仲)宇宙開発の面では、世界における日本の立場を実感して、日本はそこまで大きくないって実感した。一方、中国、インド、イスラエルの宇宙開発が大きくなっていってることが知れてよかったなぁ。
川口)日本の研究室にこもっていてもなかなか気づけないよね。日本だと、普通は日本人が多数だし、海外の視点に触れる機会も少ないしね。
留学後
川口)留学を終えて、これからの目標はできた?
小仲)日本の立場が世界的に強くないと実感したから、底上げしたいと思った。自分が海外に飛びだして、最新技術を学んでレベルアップして、また戻ってきたい!!宇宙開発で最先端の場に日本人がいないってちょっと悲しいし。宇宙って、GPS、天気予報とか生活の中にもいろいろなものに繋がっているから、そういう身近な宇宙技術に皆に気づいてもらって、もっと日本から宇宙を盛り上げていきたい!
川口)今後の活動に期待!今日はありがとうございました。また、ゆっくり宇宙の話聞かせて!
インタビュアー:川口 佑磨
佐世保工業高等専門学校 電気・電子工学科 卒業
豊橋技術科学大学大学院 電気・電子情報工学専攻 卒業
City College of New York, Electrical Engineering PhD
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